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隣の席

「お題ケリ倒し企画参加中!」

隣の席

新ベンチ「あ、こんにちは!初めまして、今日から世話になります、新入りです!」
      
古ベンチ「おぅ、ピカピカさんか~!よろしくな!」

新ベンチ「何か初めてで緊張してしまって、どういたらいいもんかと…。」

古ベンチ「まぁ気にするな。デカい顔してじっとしてればいい。それが仕事だ。」

新ベンチ「はい! あ、でも一人じゃなくてベテランさんと一緒だと分かって
     少しホッとしました。」

古ベンチ「ん?…そうか、今日だけだろうけどなぁ。
      ま、分からない事があったら何でも聞いてくれ。」

新ベンチ「え?今日だけなんですか??・・そうですか~…僕はてっきり・・・。」

古ベンチ「ここは小さなバス停だしなぁ。新入りが来れば古いのが去る…決まりだ。
     まぁそれほど悲しくもないがなぁ。
     ここで引退ってわけでもなく、別の場所へ行くだけだ。」

新ベンチ「そうですか…でも、少し安心しました。
     僕がこれからここを守るんですよね。頑張ります!」

古ベンチ「そうだな!お前さんに頑張って貰わないとな!

新ベンチ「はい!頑張ります!!」

古ベンチ「あぁそうだ、良い事を教えてやろう。この場所はな、
     特別な場所なんだぜ!明日には分かるが。」

新ベンチ「何かあるんですか!?僕のこの場所には無くて、
     隣の古ベンチさんの場所だけにあるんですか?」

古ベンチ「あぁ…そうだ。代々受け継ぐ場所…受け止めるといった方がいいな。」

新ベンチ「受け止める?人が座るだけではないんですか?何だろう…」

古ベンチ「お、そろそろ時間かな?実はな、俺には見えないんだが、
     お前さんには見えるかも知らん。
     晴れているのに、この時間になると空が涙を流す。俺の背中にだけな…。」

新ベンチ「空が涙を…すいません、僕お笑いとか疎くて・・すいません。
     キザな事を言って笑わせてくれたんですよね?すいません。」

古ベンチ「ん?冗談ではないぞ?本当に泣きやがる。
     俺がいるこの場所だけにな。」

新ベンチ「そ、そうなんですか…。すいません。」

古ベンチ「それにな、ギャラリーも毎日来やがる。スズメが団体で見学に来る。
     おぉきたきた!あいつらはまるで空が泣く時間を知っているように
     やってきやがる。動物というのは不思議なもんだな。」

新ベンチ「でも、本当に青空だというのに雨が降るんですか?あ、涙ですよね。」

古ベンチ「まぁ見りゃわかる。それにお前さんなら
     俺の背中も少しは見られるだろう。それに、明日からはお前が
     空の涙を受け止めるんだ。これも仕事だと思って受け止めてやれよ?」

新ベンチ「は、はい!荷が重い気もしますけど、頑張ります!」



新ベンチがそう言い終わると同時に、古ベンチの背もたれの辺りにポタポタと
涙が落ち始めた。

古ベンチ「お!いいタイミングできやがった!おい、新入り!見えるか?
     これが空の涙だ!!今日も泣いてやがる!よし、思う存分泣け!
     俺が受け止められるのは今日が最後だ!枯れるまで泣きやがれ!!」

新ベンチ「古ベンチさん!!・・・僕、明日からそこで受け止めるんですよね!!…。」

古ベンチ「あぁそうだ!!どうだ、涙が見えるか??
     明日からはお前が胸・・いや、背中を貸してやれ!!」

新ベンチ「はい・・仕事ですよ・・ね。逃げちゃダメですよね!
     ここにいるのが仕事なら…。」

古ベンチ「えぇ?ギャラリーの声がうるさくて聞こえないぞ?何が逃げるんだ??」

新ベンチ「いいえ、何でもないです。が、がんばりますっ!」

古ベンチ「おう!頑張れ!!何だかあれだな、今日は涙のやつが多いな!
     俺の為に泣いてくれてんのか?ハッハッハ気持ちいいぜ!」




大学生A「だりぃーなー今日は午前に一つの講義だけとか面倒過ぎるわー」

大学生B「でもお前それを落とすとヤバイんだろ?面倒でも行かないとなー」

 大学生二人が話をしながらバス停にやってきて、ベンチに座ろうとすると、

大学生A「おい!そこヤバイって!!この時間は鳥フン攻撃くらうって!!」

大学生B「やべーー忘れてたわ。最近この時間に来ないからなーあぶねー」

大学生A「お、こっちの屋根の内側なら大丈夫だな。こっちこいよ」

大学生B「おぉ新しいベンチだ!隣の鳥フンベンチは汚ねぇし、
     新しくなってよかったなー」




新ベンチ「あ、あの・・」

古ベンチ「ま、まぁあれだ。俺も次へ行く前にはこの汚い背中もキレイに
    洗って貰えるだろうしな!ハハッ・・すぐにキレイになるさ。問題無い!
    鳥フンっていっても表面に付くだけだろうしな!」

新ベンチ「そ、そうです・・よ・・ね。」

古ベンチ「おい!なんだよそのハッキリしない言い方は!
     おい!背中はキレイだろ?表面だけがあれなんだろ?」

新ベンチ「いえ・・・ペンキごとごっそりやられてます・・・。」

古ベンチ「・・・。」


古ベンチ「な、なぁ、ちょっとだけでいいから屋根の下に入れてくれる?」

新ベンチ「嫌ですよ」
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